意味論の問題。哲学者のアラン・ロス・アンダーソンが、あるセミナーで、次のようなおもしろい出来事を話したことがある。アンダーソンは、第二次世界大戦中に合衆国海軍に所属し、日本軍の暗号を解く部門に勤務していた。暗号文書に何度も出てくる一語(数字で表されている)があったが、その意味を解読するのに全員が必死になっていた。苦労の末、その単語は、国や国民を形容する単語(「この国は~である」・「あの国は~でない」)であることが判明し、その後、多量のデータを収集した結果、それは親日派と解読されるに至った。終戦になって、極秘暗号表が押収された。その言葉の本当の意味は、誠実であった。