本稿は局所的な論理をキーワードに榊林銘『毒入り火刑法廷』について読み解く。
第一章では琳の虚構本格ミステリ論を踏まえて、本格ミステリと虚構との関係について原理的な考察をしていく。
第二章では『毒入り火刑法廷』について、生理的限界に縛られた推理という特長を詳しく見ていく。
第三章では、局所的な論理にともなう自他境界の越境という性質を切り口に国内本格の状況を概観する。
その上で、二〇二〇年代の国内本格ミステリが後期クイーン的問題を巡って迎えた、物語からゲームへの変化について整理する。