※ページ番号などはすべて麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』(講談社ノベルス、第四刷)に基づく。
No. | 章 | 節 | p. | 内容 | 考察 |
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1 | Ⅰ 8月5日 | 0 | 7 | (後に映画『春と秋の奏鳴曲』との一致が判明する)葬儀の光景。 | ・他の章では0節は烏有の内面描写のため、ここも映画の内容ではなく烏有の記憶と解釈すべきか。 ・祭壇の前には死者の両親が座り、母親の隣に“瞳は黄色”(p.8下)の七歳ほどの少女がいる。少年時代に烏有の身代わりとなった青年の妹が桐璃だった可能性が示されている。 |
2 | 1 | 10 | 和音島へむかう烏有たち。取材を任された経緯。 p.12 桐璃と会話。 p.16 キャビンへ。結城たちの人物紹介(p.17下)。 |
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3 | 2 | 21 | 和音島に到着、和音館へ。 p.27 真鍋道代に部屋へ案内される。桐璃と部屋を交換。窓から外観を確認(p.33上)。和音が主演した映画『春と秋の奏鳴曲』とその評価。 p.37 桐璃が部屋に来る。 |
・p.26上 “乾いた砂道には点々と猫の足跡” | |
4 | 3 | 40 | 水鏡に取材。取材を終え(p.46下)二階の階段脇吹き抜けで二枚のキュビスム画を発見。 | ・p.44上 水鏡(正体は武藤)は編集長と逢ったことがある。 ・p.49上 真鍋道代に晩餐は六時からと連絡された後で “……お前あの人怖くないか” 面識も無いのに、烏有が道代に不安を抱いたのはなぜか。 |
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5 | 4 | 51 | 桐璃が遅刻。黒のフォーマルスーツで登場すると、水鏡たちが硬直する。ぎこちない会話。 | ||
6 | 5 | 63 | ジャージに着替えた桐璃と部屋で会話。 p.68 桐璃(白)登場。自分が誰なのか烏有に問う。p.71上 テラスが蒼白く浮かびあがっていると指摘。 |
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7 | Ⅱ 8月6日 | 0 | 73 | 桐璃と出会ったなれそめ。 | |
8 | 1 | 79 | 四階で神父と和音の肖像画を確認し、桐璃とそっくりだと知る。p.83下 神父にとって和音は神だったという。 p.85 神父から、和音が四枚のキュビスム画を描いたと聞く。 |
・p.86下 “五作目は(略)完成しませんでした”というのはp.123で神父自身が描いていた絵のこと。 ・p.88上 “モデルですか。モデルは和音自身ですよ” p.474下のとおり実際の作者は結城たちだった。モデルは尚美だったのか。 |
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9 | 2 | 89 | 浜辺で結城に取材。昨日の夜、地震があったらしい。結城にとっての和音のイメージ。 p.95 三階の窓から桐璃が手をふる。p.97下 和音はテラスから落ちて死亡したという。島をでるとき碑を燃やした。ハイキングに誘われ、桐璃が参加することに。 p.102 結城の案内で和音の墓へ。武藤は和音になんらかの理念をもっていたらしい。映画のシナリオを書き、続きの黙示録が存在するらしい。水鏡が元気なことを告げると結城が動揺(p.106下)。烏有がみつけた鈴を結城が投げ捨てる。 |
・p.99上 “一人欠けているところを見たくなかったからさ” 和音は実在しなかったので、本当に欠けたのは武藤(水鏡)だけ……という意味? | |
10 | 3 | 108 | p.110上 テラスにいた烏有が四階中央に“黒い服”の人影を目撃。肖像画の裏に和音の部屋をみつけるが、水鏡に見咎められる。 | ||
11 | 4 | 115 | リヴィングで村沢夫妻に取材。和音はテラスで水鏡とヴェーベルンを歌うなどしていた。尚美には“不信”という問題があり和音の“絶対的”なものに惹かれたという。p.123上 神父の絵は武藤と揉めて破棄された。 | ・p.127上 “そういえばあの日も雨が降っていたな” | |
12 | 5 | 127 | 雨で桐璃たちがハイキングから戻る。結城と神父が切り裂かれた肖像画を発見。 p.131 部屋で取材内容をノートにまとめる。桐璃からハイキングのことを聞く。結城は尚美を村沢ととりあったという。 |
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13 | 6 | 140 | 味気ない晩餐。結城が猜疑に満ちた目で水鏡を見る。四階の肖像画の前で神父と会う。絵が傷つけられたのは受難なのか、あるいは“展開されようとしている”(p.145上)のだという。 p.145 村沢夫妻の喧嘩を立ち聞きしていたのを桐璃(白)にみつかる。p.150上 桐璃(白)から鈴をもらう。 p.151 推理しつつ眠りにつく。 [烏有の告白]p.462上 桐璃の部屋と勘違いして襲いかかってきた水鏡(正体は武藤)を殺害。 |
・p.146 “あれは和音以外の何ものでもないわ”“蘇ったのよ”“そう、展開するために”“あの娘が和音なのよ。本物の……”という尚美の言葉は、パピエ・コレを指していたのだろうか。 ・p.151上 “うゆうさん、忘れないでね”ということばは、鈴を渡したのは桐璃(白)のほうであるという意味だったのだろうか。 ・p.151上 “遠くでエンジンの音が聞こえる”とあるが、真鍋夫妻が脱出に使ったランチの音? |
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14 | Ⅲ 8月7日 | 0 | 153 | 雪が血に染まる悪夢。 | |
15 | 1 | 154 | 桐璃に叩き起こされる。桐璃がキッチンに行ったことを怒る。p.159下 中庭に積もった雪、死体を発見。p.162下 青年に命を助けられた過去を回想。 p.167 真鍋たちに報せるため離れへ向かうがもぬけの殻。p.169下 屋敷へ戻る。警察に通報するか押し問答、だが電話がつながらない。 |
p.155下 部屋の中央に円形の焦げ痕。 | |
16 | 2 | 180 | 脱出方法を検討するが断念。烏有と村沢で死体を地下室へ運ぶ。内部犯を疑う桐璃の発言で険悪な雰囲気に。死亡推定時刻と雪の降った時間があわない。 p.190 密室状況を検討。 |
p.189上 神父が“鉈で首を斬ったのは”と発言したのは桐璃の指摘(p.326下)通り失言だったらしい。 p.192下 犯人は海に飛びこんだのでは、と和音の最後を連想させる桐璃の仮説が尚美にショックを与えている。ということは、少なくとも二十年前の8月10日に誰かがテラスから落ちたのは本当? |
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17 | 3 | 196 | 厨房で桐璃が野菜炒めを作るのを見守りつつ推理。 | p.196下 “厨房のテーブルの上には、誰が飲んだのか、空の牛乳パックが置かれていた”。p.482によると猫にあげたもの? | |
18 | 4 | 205 | 監視するかのような食事。p.208下 今後どうするか話し合い。 p.211 村沢に調査を依頼される。 |
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19 | 5 | 216 | 村沢と水鏡の書斎へ。車椅子に血痕。拳銃が無いことを村沢が指摘。p.221上 真鍋の離れへ。p.224上 幼児売買の新聞記事を発見。 p.226 和音の墓が掘り返されているのを発見。雪の名残から、水鏡が死ぬ前に掘られたらしい。燃やされた碑が刺し直されている。穴のなかに鈴を発見し、和音が蘇ったのかと村沢が絶句する。 |
・p.57下 真鍋は二十年前、ヴィニツァのシェフを務めていたことと新聞記事との矛盾を烏有もp.224下でいぶかしんでいる。p.67下段で“真鍋たち”がディッシュを片付け始めたとはあるが、地の文に夫の名前 “泰行”は書かれていない。幼児売買をしていた真鍋夫妻とは別に、シェフをしていた第三の使用人がいた? | |
20 | 6 | 228 | 村沢とリヴィングに戻り結城と会話。和音の墓を見に行かせる。 p.232 武藤の部屋を見せてもらう。桐璃が先回りしていた。 p.237 部屋に戻る。桐璃にカメラを忘れたことを指摘される。 |
p.236下 “まあきみにも間違いはあるさ”村沢のことばは、烏有を名探偵と勘違いしていたことから。 p.241下 桐璃が武藤の部屋を探ろうとしたとき、結城がでてきたという。なにをしていたのか? |
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21 | 7 | 241 | 夕方、仮眠から目覚めると桐璃(白)がいた。和音の印象を訊かれる。和音の死が関係しているのではないか。 p.246 屋上にあがると神父がいた。神なき時代に神を復興させる方法に悩み、みつけたのが和音だという。 p.254 神父が急にキュビスムの話を始める。遠近法がひとつの瞬間的な視点しか持たないのに対し、展開とは移動された視座の集合であり、過程を描く。和音館もキュビスムの手法で設計されている。 |
p.242下 このとき桐璃(白)は銀色のブレスレットをしている。“ブレスレットは初めて見るものだった” 和音の墓から掘り返したなんてことはないかな……。 | |
22 | 8 | 261 | リヴィングでテレビを観ているとピアノの音。p.265上 尚美がテラスで踊りだす。村沢が“わたしたちが和音を殺した”ともらす。 p.268 三階の廊下で結城にでくわす。和音の歌は、武藤がピアノを弾いたという。桐璃とは知りあってどのくらいになるのか訊かれる。村沢夫妻をみなかったかという質問に嘘をつく。 p.271 桐璃の部屋へ。ウォークマンを聴いている。徹夜で桐璃の部屋を見張る。 |
・p.264上 “きっとこの屋敷にはキュビスムの新たな遠近法で整合できる地点がどこかにあるはずだ。(略)あの隠された和音の部屋?” その地点は中空にあったということかしら。 ・p.270下 烏有は結城に“両親とも健在です”と答えているが、p.55上で黒のフォーマルスーツについて桐璃は“お母さんの遺品”と言っている。桐璃は養女なのか。 ・p.64上 烏有が録音機を持ってきており、取材に使っている。p.271下 桐璃がウォークマンで聴いていたのは、烏有の取材テープだったりして……。 |
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23 | Ⅳ 8月8日 | 0 | 276 | 創華社に勤める契機。風邪で寝込む烏有のもとへ桐璃が見舞いに来る。 | |
24 | 1 | 281 | 地震で目覚める。バイク事故で夭逝した高校時代の唯一の友人を回想。 p.283 桐璃が苺ジャムトーストを持ってくる。 |
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25 | 2 | 285 | 村沢に殴りかかる結城をとめる。 p.288 屋上にでると結城がいた。誰かを好きになったことはあるうかと訊かれ志乃伶子を思いだす。 p.292 結城に、和音の生活用の部屋へ案内される。キュビスム画『仮面を脱ぐ女』がある。p.297上 結城にクルト・ヘンリッヒ『立体派の内奥』を渡される。 |
・和音が概念に過ぎないとすれば、なぜ生活用の部屋があるのか。 ・p.296上 尚美の継母には、実子の弟がいたらしい。 |
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26 | 3 | 297 | 和音の墓は掘り返されたまま。結城に秘密を漏らしたのではと神父を詰問する。神父はパルツィファルをひきあいに、知らないほうがいいと警告する。 | ||
27 | 4 | 303 | 『立体派の内奥』を読む。キュビスムの説明。パピエ・コレの説明。 p.306 黄色い付箋。二極化により限界を迎えた分析的キュビスム。 |
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28 | 5 | 310 | 武藤の部屋で桐璃と黙示録を探すがみつからない。 | ||
29 | 6 | 315 | リヴィングでの結城と尚美の会話を立ち聞き。 p.318 昼食、夕食に結城は姿を見せない。村沢が烏有の部屋に来る。p.322上 昨日、尚美がテラスで踊ったとき、村永たちが和音を殺したともらしていたこと(p.267上)を訊ねると、そんなことはないと否定。 |
・p.317下 結城いわく“俺が和音を殺したのはお前を解放したかったから”。これは概念としての和音を尚美が演じさせられていたことを指すのか。 | |
30 | 7 | 323 | 桐璃(白)が密室について仮説を披露。二重人格について会話。 [烏有の告白]p.460上,p.463下 桐璃の部屋の前で結城と争いになり殺害、テラスから海に投げ捨てた。 |
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31 | Ⅴ 8月9日 | 0 | 333 | 向日葵の群れ、電波塔、離れ、和音館、テラス。水鏡の次は? | |
32 | 1 | 334 | 風邪をひいた。七時二十分前。再び眠る。 p.336 人殺しの夢をみて目覚める。ウォークマンを聴きながら入ってきた桐璃が薬をもらってくる。結城がいなくなったらしい。 |
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33 | 2 | 341 | 夕方、リヴィングで村沢と会話。結城はいないのに気づいたのは昼前。p.346上 かなりの大地震が襲い、停電になる。p.351下 誰かが主電源のスイッチを落としたと判明。 | ||
34 | 3 | 352 | 桐璃と部屋で、もうひとり誰かいる可能性を話す。 | ||
35 | 4 | 356 | 屋上で星を眺める。神父に和音とキュビスムの関係を訊ねる。主観と客観の超越にこそ神が存在する。人間として属性を与えることが展開。 | ||
36 | 5 | 363 | 村沢が、地下から遺体が消失したことに気づく。 | p.364上 尚美が示唆しようとした遺体消失の理由はなんだったのか。“理由なんて……” “ひとつしかないわ” 水鏡の正体が武藤だったことを誰かが隠そうとした、ということかな。 | |
37 | 6 | 366 | 部屋で『立体派の内奥』を再読していると村沢が来る。村沢が烏有を名探偵と誤解していることがわかる。和音とキュビスムの関係を訊ねるが村沢は答えない。 | ||
38 | 7 | 370 | 名探偵に誤解されていたことを桐璃(白)がからかう。p.374上 再び二重人格の話。同じ自分が二人いたらどっちを選ぶか。 | ||
39 | Ⅵ 8月10日 | 0 | 378 | 黒猫に呼ばれる夢。 | |
40 | 1 | 379 | 南の海岸に流れ着いた結城の死体がみつかる。右手の平に鈴。 p.381和音の墓が埋め戻されていた。鈴を投げ捨てる。碑の脇にトリカブト。花言葉は復讐。 p.383 屋上で神父に、なぜ和音を殺したのか訊く。それは挫折のためだった。『立体派の内奥』によると展開による絶対化は二極化による相対の軸に乗ってしまう。代わりに、復活という奇蹟で神父は絶対化を為そうとキリスト教に帰依した。降雪と密室という形で奇蹟は起こったという。 p.388 桐璃が部屋でアイスソーダを作り待っていた。 |
・p.388下 “どうしておれがいつも屋上に行ってることを知ってるんだ?” 取材テープを聴いたからだろうか。 ・p.389下 “じゃあ、おれが『神』さまだって云ったら信じるか?”という烏有の言葉は、自分が殺人者だということを暗示していた? |
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41 | 2 | 390 | リヴィングで尚美と会話。水鏡の正体は武藤だったのではとつきつけると、尚美はそれを認める。村沢がやってきて、村沢の部屋で話を聞くことに。 p.396 村沢の告白。武藤、尚美、水鏡、和音の過去。殺されたのは水鏡で、武藤がすりかわった。 |
p.392下 “見たのよ……一昨日の夜中、和音が結城さんの部屋から出てくるのを” 烏有が結城の死体をテラスから遺棄する間に、桐璃が黙示録を探そうとして結城の部屋に忍びこんだ? | |
42 | 3 | 404 | テラスで考えを整理。桐璃を初めて疑う。いつの間にか後ろにいた桐璃(白)から映画を観ればいいと示唆される。風邪気味の桐璃(白)にジャケットを貸す。四階中央に窓がないことに気づく。 p.410 映画『春と秋の奏鳴曲』が始まる。葬儀の光景。 p.416 ヌルの半生。p.420下 和音との出会い。編集の仕事を紹介され、ある取材のため船で取材先に向かう。 p.436 映画が終わり、呆然とする烏有。桐璃の悲鳴。 |
p.407下 地震直後に主電源を切った人物を推理するとき“結城はすでに死んでいた”から該当しない、と烏有が考えたことに注意。 | |
43 | 4 | 438 | 左眼を抉られた桐璃をみつける。神父が応急措置をする。 | ||
44 | Ⅶ 8月11日 | 445 | 尚美のものと覚しき、ウェーブのかかった漆黒の髪をみつける。 | ||
45 | Ⅷ 8月12日 | 1 | 448 | 村沢が部屋に来て尚美がいないとうろたえる。桐璃が意識をとりもどす。 p.451 村沢に頼み、四階の和音の部屋の鍵を受けとる。神父がリヴィングに駆け込み、尚美の死体発見を告げる。 |
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46 | 2 | 454 | 聖域の扉を開ける。 p.455 地震。油絵に桐璃の目を発見する。 |
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47 | 3 | 456 | 桐璃の部屋へ。烏有の殺人について会話。村沢がやってくる。尚美の死体がみつかったという。烏有が告白。和音は定義、観念に過ぎないのではないか。 p.468 村沢を神父が銃殺する。首を斬ったのは神父だった。p.471 受信機を壊したり、墓を掘り返したのは神父ではないという。p.473下 神父が自殺。 |
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48 | 4 | 477 | テラスで桐璃(白)と遭遇。p.480 四階から覗き、主電源を切り、受信機を壊し、墓を掘り返したのも桐璃(白)だという。p.487上 地震、雪が左右に割れる。 p.491 閉幕。 |
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49 | 492 | 迎えの船が来る。島の最期。 | p.496上 ここのみ桐璃は“烏有さん”と呼びかける。コーヒーを飲み干す。 | ||
50 | エピローグ[補遺] | 497 | 銘探偵、登場。 |
登場人物一覧
氏名 | 年齢 | 初出p. | |
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如月烏有 | 21 | 10 | 創華社の準社員。 |
舞奈桐璃 | 17 | オニワバンダナ女子高三年生。 | |
舞奈桐璃(白) | ? | 舞奈桐璃(うゆー)に酷似した少女。純白のワンピース。 | |
真宮和音 | 12 | 女優。二十年前の8月10日、18才(p.22下)で死亡。 | |
結城孟 | 42 | 17 | 呉服屋の次男。 |
村沢孝久 | 42 | 17 | 貿易会社経営。 |
小柳 | 18 | 洗礼名「パトリク神父」。長野のイエスズ会に赴任。 | |
村沢尚美 | 19 | 孝久の妻。武藤の妹。 | |
水鏡三摩地 | 55 | 21 | 大富豪。三十年前に両親を失い、二十一年前に和音島を買いとった。 |
武藤紀之 | 21 | 二十年前の8月12日に死亡。 | |
真鍋道代 | 53? | 26 | 和音館の使用人。 |
真鍋泰行 | 26 | 道代の夫。 | |
志乃伶子 | 290 | 烏有が一年だけつきあっていた女性。 | |
ヌル | 416 | 映画『春と秋の奏鳴曲』に登場する烏有と似た人物。 | |
阿月乃梨子 | 映画『春と秋の奏鳴曲』に登場する、ヌルと半年だけつきあった恋人。 | ||
真宮和音 | 12 | 映画『春と秋の奏鳴曲』に登場する、尚美によって演じられる少女。 | |
箕面さん | 38 | 桐璃のクラスメイト。豪邸に住んでいるらしい。 | |
田上ちゃん | 137 | 高校教師。半年ほど前に女生徒と不祥事を起こし辞職。 |
年表
?年前 | 大学二年の春、武藤が和音と巡り会った。 |
21年前 | (年齢が確かなら)烏有が生まれる。 |
和音館が完成。映画『春と秋の奏鳴曲』公開され、その二、三ヶ月後に共同生活開始。 | |
20年前 | 真鍋夫妻らしき人物が、死産と偽り幼児売買していた記事が新聞に載った。 |
島に来る直前、和音(17才)の肖像画を武藤が作成(p.79下)。 | |
8月10日、和音(18才)がテラスから転落。8月12日、武藤が自殺。(p.96上) | |
17年前 | (年齢が確かなら)桐璃が生まれる。 |
10年前 | 烏有(11才)が見知らぬ青年に命を助けられる。葬儀で桐璃(7才)を見かける? |
一年前 | 烏有が桂川で桐璃とであう。七月の半ば、フォーマルスーツの桐璃と初めて会話。 |
現在 | 事件発生 |
和音館メモ
- 烏有たちの部屋は三階左翼のいちばん奥(p.30上)。
中央の階段から烏有たちの部屋の途中に結城、村沢夫婦の部屋がある。
烏有は山側(北側)、桐璃(うゆー)は海側(南側)。真鍋に指示されたのは逆だったが、桐璃の要望で交換した。 - キュビスム画が四枚ある。
烏有の部屋(本来は桐璃の部屋)に『和音』。
二階に『島と唱う少女』と『浜辺を駆ける少女』。
三階中央北向き、和音の生活用の部屋に『仮面を脱ぐ女』(p.293) - 四階階段正面に和音の肖像画。
- 水鏡の部屋は二階の東に向かう廊下の突き当たり。
- 三階中央北向きに、和音の生活のための部屋。