会場到着~春! 桜! 書評!

 今年は折悪しくMYSCONの翌週に資格試験があり、昼の部は参加を見合わせることにした。一人寂しくちゃぶ台に向かってノートにペンを走らせ、勉強に身を入れていたのであった……そうですよね?> のりりんさん、森さんつなさん、うえぴーさん

 会場に到着。高砂部屋へ。森さんが大正時代の文士のごとく路地を見下ろす。なぜか始まる写真撮影会。Google Earthで鎌倉ミステリマップ作り。カール・ハイアセンって誰でせう。
 同人誌販売へ。噂の『クラシック・ミステリのススメ』購入。組版が素敵! SF冬の時代を嘆く市川憂人さん。SF短編集『天使崩壊』世紀末カタルシスを渇望する無垢な少年少女読者を探しています。とりあえず購入物を部屋へ置きに行くつもりがフラリと別の部屋に紛れ込む。「金田○少年の世界に、島○荘司は存在しないんだ!」「な、なんだってー!」ざわざわ……。
 大広間集合、開会宣言。おお、今年は参加人数が少ないなあ。真ん中のほうに人が集まって田舎の親戚一堂大集合みたいな図に。

 春だ! 桜の下には書評家が埋まっている……なぜホワイトボードにニコニコ動画。スズキトモユさんと会場準備。「天井になんか怪しげな物体が!」「密室トリックに違いない!」ところでガス栓はどこに。
 自己紹介とあわせて参考にしている書評家を挙げていく。書評と感想の違いってなあに? ハイ、字が違います。「プロ書評家の入室お断りって入口に書いておくべきでしたねえ」書評家に求められるのが書評、有名人に求められるのが感想。「この現実的世界喪失の観念的自己回復ぶりにヒデキ感激!」評論と書評の違いってなあに? ハイ、字が(以下略)。そうか、書評に必要なのはキャラなんだ。きれいに蔓葉先生が本日のまとめに入ったところで襖がスパーン!杉江松恋さんの細かすぎて業界人にしかわからない物真似ショー始まり始まり~!

ミステリ検定~勝手に作ろう復刊セレクション

 記憶力に自信がないのでミステリ検定とやらはパス。まったく、誰が好きこのんで自分の無知をさらけだしますかいな。さて、クラシック・ミステリ企画でも覗いてこようかな、と歩きだすとニコヤカに微笑みながら廊下をとおせんぼしている鳶迩さん……。
 まあ、あれですな、こういうのは参加することに意義があるのですな。長机の列、無言で並ぶ参加者達。ボールペンを手にして問題用紙をめくる。「ずばり、ハヤカワ・ミステリ(ポケミス)1500番の作品の作者は誰?」知るかー!!
 それでも俺は56点とったぜ! 実力24点まぐれあたり32点だったけどな! てゆーかネタ問題が無いのはどういうことだー! MYSCONなら「島田荘司が住んでいるところは?」「a.ロサンゼルス b.馬車道 c.スエーデン d.雲の上」「正解は d、だってゴッド・オブ・ミステリーだもん!」とか出題すべきだー!

 夕食をとっていなかったのに気付き、あらかじめコンビニで買っておいたのをぶらさげ大広間へ。入れ違いでのりりんさんらが上の階へ移動し、気付いたら大広間に一人っきり。思わずゴミ拾いをしてみたりする。ゴミを拾っても一人。ポツネンとしてるのもさみしいので語り部屋へ。浅暮さん独演会状態。気になる人は『広告放浪記』を即buyだ!
 勝手に作ろう復刊セレクション。謎の仕事人X、颯爽登場! いや正直、もうちょっとこう、ほのぼのムードを想像してたのよ。しみじみ新本格について懐かしく語り合うんだろうなあと。しかし卓の周りに安眠練炭さんlainさんらが集まった時点で私は気付いたのです――ここは戦場だ、と。
 怒濤のごとく飛び交う罵詈雑言。「残す価値など無い!」「いや、このあとがきは惜しい!」「じゃ、あとがきだけ復刊!」すみません、この猛者達の前に『星降り山荘の殺人』なんて持ってきた愚か者をお許しください。「ああ、この漫画家、今はおがわ甘藍というペンネームで」う・た・の。う・た・の。「エート、門前典之『死の命題』は?」「除外、除外」妖怪サザエさん。「続きましては黒田研二『嘘つきパズル』です」「レーベルが消えたせいでファンがいちばん入手に苦労してるという」「魔夜峰央のファンがね」やっぱ『記憶の果て』より『浦賀和宏殺人事件』だと思う。「来年は『このミステリがひどい!』という企画にしましょうか」「最後に全員で本を壁に投げつけてね」「名づけて壁ミス」みんな新本格が大好きです。

深夜のお笑い企画~解散

 深夜のお笑い企画に移動。なにやら例年になくゆるさ倍増。『赤朽葉家の伝説』はゼルダの伝説だった。新書タイトルいじり。横溝正史『犬神家の一族』で遊ぼうの三本でお送りします。んがくっく。中尾彬も若かった。渥美清は変わってなかった。ていうか七沢さんの服装はお笑い企画の準備じゃなかったのか……。
 今年は飛び込み参加OKになったこともあり、荷物を軽くしようという文字通り軽い気持ちで古本オークションへ。復刊セレクションのために持ってきた本の一部をだしたのだけど……卓の上には博物館のガラスケースに収まってそうな古い雑誌がズラリ。な、なんか次元が違う世界のような。聞いたこともない作家の本が数千円になってますよ?
 ここであったが百年目というか十三年目でシャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』(学研ホラーノベルズ)をゲット。初版1994年12月だから、初めてみかけたときはまだ学生だったのか……。

 語り部屋に上がると深夜のうっふんぱやぱやシークレットトーク企画「まほろを語ろう・勧めよう・ラブラブ大作戦!」が繰り広げられていた。「ガ○ダムと本格ミステリが好きなら読まなきゃダメ!」「それは広いような狭いような……」「他のレーベルからでたほうが良かったのかもしれませんね」「電撃文庫から上中下巻で?」「ラノベに煉瓦本ブームを!」「文章はうまいですね」「そうそう、初めのほう登場人物がワーッとでてくるとこ、一人一人覚えようとするともたつくけど、理解を放棄して読むとリズム感いいのよね」さあギリシャ文字シリーズはどうなるのか!乞うご期待!
 と、そのときです……襖が音もなく開かれ、鳶迩さんのエクトプラズムが静かに部屋の中へと入ってきました。いえいえ、見間違いなどではありません。こんな時間帯に鳶迩さんが起きているはずありませんわ!ましてや「これまで一通りのイベントはやってきたし、来年のMYSCON十周年はどうしましょうか」「おがわさん、お笑いに対する姿勢について真面目にうかがってもいいですか」なんてことを活き活きと語るなんて!

 完徹。大広間にて閉会宣言、解散。のりりんさんらと駒込へ移動。秋田さんと後期クイーン問題の話をする。朝から濃ゆいなあ……。マックで朝食。なんか金田一の話をしている(ザザザッ)いや、違うな、田中芳樹の話だわ(ザザザッ)あれ? いつのまにナイト・シャマランの話題に? ああ! 誰かに歴史を改変されている! <ちがう。
 なんだか例年以上にゲージ振り切れた感じで帰路に着いたのでありました……。