3/15 17:10

 午前二時に就寝、九時間睡眠。午後二時頃神保町に到着、漫画喫茶&珈琲喫茶で昼食をとり、読書会課題本を読み返しつつ時間をつぶす。四時半、JR御茶ノ水駅まで歩き、JR飯田橋駅で地下鉄南北線に乗り換え、東大前駅で降車。言問い通りを渡って三番目の角を右に曲がり、午後五時十分頃に森川別館に到着した。
 案内されて「あやめ」の部屋に移動。部屋にいた市川尚吾さん、市川憂人さん、DR.メフィストさん等と雑談。DR.メフィストさんは「メフィスト」という名のお酒を持ってきていた。これがこぼれたらメフィストまみれになってしまいますねぇなどと話している間に五時半を過ぎたので大広間に移動。

3/15 18:00

 大広間はまだがら空きだったので前から二番目の座布団を獲得する。今年は寄席のように座布団だけが並んでいた。ホワイトボードには若竹七海アンケートの上位作品が。同着六位が三つあるなら次は八位ではなく九位だろうという細かい突っ込みを胸に秘めつつ待機。
 続々と参加者が集まり、六時過ぎにフクさんの開会宣言がされた。若竹七海さんが登場し、足を組んで座る。ないとーさんがインタビュアー。
 ミステリを読み始めたきっかけ、書き始めたきっかけから始まり、雑誌掲載されたのにハードカバーにならない事情とか(雑誌掲載で終わっちゃってもOKという意向だそうです)文庫落ちしない作品の事情とか(手直しすべきか迷ったそうです)某作品の物凄い出版事情とか(杉本には書けません)。
 五十円玉二十枚の謎の解答編として一番のお気に入りはという質問には倉知淳(創元推理文庫『競作 五十円玉二十枚の謎』所収)とのこと。ただ、やはり完全に納得した解答はないとか。
 ないとーさんが終始緊張されていて、質問の間合いが妙に空いていたり、コメントがないことに若竹さんから突っ込まれたりしていた。話の内容も面白かったけれど若竹さんのこういう突っ込みがとても活き活きしていた。
 七時過ぎにインタビューが終了し、全体企画の問題編が発表された。同時に発見された三つ子の殺害死体。一人は「ドレ」と読める血文字を、もう一人は「IC」と読める血文字を残していた。最後の一人も血文字を残していたのだが、それはどんなものだったのか、そして誰を犯人として名指したのか考えよというものだった。

3/15 21:00

 コンビニでお菓子を、弁当屋でカルビ弁当を買い込んで「あやめ」に戻る。食事をとりつつ雑談。メフィスト周辺で「あの漫画は単行本になるのか」とか「そもそもメフィストという名前はどっから来たのか」とか。nakachuさんがおもむろに探偵小説研究会『本格ミステリ・クロニクル300』(原書房)を持って市川尚吾さんにサインをお願いに来る。目指せ探偵小説研究会コンプリート。
 フト思い出して『福井県名探偵実話集』のことを雑談のネタにする。この本についてはあなたの古里に、名探偵はいますか?にまとめたのでそちらを参照。
 九時十分前に合同企画のため移動。集合場所の企画部屋B「ひので」に「早川書房」グループとしてsasashinさん、日下三蔵さん、雪樹さん、おがわさん、根子さん、松本真人さん、風々子さん、略さんが集まる。
 去年も難しかったが、今年は更に難しい。一堂零案、レイク案、丸出ダメ夫案、おそ松君案等(各案の説明はちょっと空しいので略)がでた末にインパクトから「トトロ案」に決定。
 大広間に移動し、解答編発表会。印象に残ったのは東京創元社グループのどんでん返し解答とか、春陽堂書店グループの旭堂南湖さんによる若竹さん賛美講談解答。

3/15 22:45

 個別企画の読書会に参加するため「ひので」に移動。今年は誰もが本格ミステリであることを疑わない法月綸太郎『法月綸太郎の功績』(講談社ノベルス)であったせいか(?)去年より集まりが少なかった。確か十人ちょっとだったように思う。
 以下、ネタバレにならない範囲で書くと、まずは自己紹介を兼ねてどの作品を最も気に入ったか一人ずつ語るところから始まった。結果は『都市伝説パズル』が最多数。誰も『中国蝸牛の謎』をあげなかったことに進行役の蔓葉さんがホッと胸を撫で下ろす。『ABCD包囲網』も辛い評価だったような。更に「全部バカミスじゃないの」「脳内タイムスリップはなんの意味があったのか」「ほかの法月作品の傾向と短編との照応」といった話題があったがネタバレ気味なので自粛。

3/16 00:30

 読書会終了後、なにかが起こるかもしれないという胸苦しい予感に突如襲われ大広間に移動。しばらく雑談の輪に参加していたが、零時半が近付くにつれ大広間の真ん中付近に敷かれた座布団に皆が集まり出す。皆、同じ予感がしているらしいと知り、杉本もそちらに移動。聞き取り能力が悪いので前のほうに座らないとわからないからねぇ。
 かくして零時半、突如「matsuoさん、逃げてぇ!」の声とともに消える照明。スーツ姿の刑事達が登場し、殺人容疑でmatsuoさんが拘引されていく。
 かくしてMYSCON裁判が始まった。今年は昨年よりテンポがよくグレードアップしているのが感じられた(杉本は笑いの沸点が低いので客観的判断ができませんが)。蔓葉さんが真相を告白し、めでたくmatsuoさんは無罪に。これで無事に更新ができますね(説明略)。

3/16 01:30

 旭堂南湖さんによる探偵講談を拝聴するため「ひので」に移動。お題は『蠅男の恐怖』で、現代の視点ではちゃちながらも味わいのある特殊効果がというお約束はさておき海野十三『蠅男』である。ギャグがけっこうあったけれど脚色がどのくらいあるのだろう。語りの迫力に引き込まれたが眠気で集中力が保たないように感じたので、その後に続いた古典講談と新作講談は失礼して中座した。
 この時点で眠ろうか迷ったが去年も完徹したことだしということで意地になって大広間に戻る。ファウンデーションシリーズ面白いよ20世紀SFシリーズ面白かったよとなぜかSF作品について語ったり、ビニール袋のなかに散らばった得体の知れない肉片を食べたりした覚えがあるが定かではない。
 市川憂人さんや葉山さんや蔓葉さん等がいた輪に参加していたが既に蜜かけポップコーン平らげマシーンと化していた杉本はろくにしゃべらなかったような気がする。ん? あ、そうだ、一声しゃべった。初心者を本格ミステリに誘い込むにはどんな作品がよいかという話題に「今市子」と答えた。誠に申し訳ございません
 会話の内容としてはその「本格ミステリを普及させよう大作戦」を主軸にライトノベルのミステリ系文庫の惨状現状とか「男子はガジェットに萌えるが女子は生活に萌える。男子の萌えは点であり、女子は線である」とか島田荘司『北の夕鶴2/3の殺人』(光文社文庫)は必読とか上遠野浩平『殺竜事件』(講談社ノベルス)への不満とか発散しつつ収束しつつ発散して収束した。

3/16 07:00

 いったん「あやめ」に荷物を取りに行き、大広間に戻って片付けを手伝う。ホワイトボードに市川憂人さん等が書いていた(会話には途中参加だったのでなぜこんな話になったのか経緯が不明だが)本格ミステリにおける基本的なプロットについて話し合う。そこから本格ミステリ定義論の変遷について思いついたことを語ったのだがこれについては本格ミステリ伝説にまとめたのでお時間と興味のある方は参照頂きたい。
 午前七時過ぎ、MYSCON4閉会宣言がされた。今年はかなり徹夜組が多かった様子。名札の紙だけ記念に持ち帰ることにし、東大前駅に向かった。家に帰るまでがMYSCONである。