耳が四つあるのなら

 昔々、ある村に眼鏡をかけた猫耳少女がおりました。
 ある夜、少女は頭のうえに眼鏡をあげ、床のうえで四つん這いになっていました。親切な村人が、眼鏡なら頭の上にあるぞと教えてやると、
「いえいえ、いまは私のほうの活動時間なだけです」
 と、どこからともなく気味の悪い声がしたそうです。