ビタースイート

怒りながらチョコレート噛んでた
甘さに喉が焼けて胸が痛くて
鼻がツンと冷えて瞼が熱くて視界が歪んで
頬の内側に後悔じみた苦味溜まるの、どうしようもなかった
私の前にはしでかしたバカの分だけ長い雪道があって
肌を冷たく灼く冬の陽射しと石のような空気
踏みしめる雪の音さえ苛立たしくて足が痛くて
自分の幼さのもどかしさと吐き気のするような自己保身がむごい
息を吐くとカカオの香りがした。南の島の香り

きっと熱があるんだ
そうでなきゃ、こんな簡単に弱ったりしないよ